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世界の年金運用比較から分かる日本の年金制度の問題点とは?


皆さんは、老後の生活に対する不安についてどの様に考えていますか?

「生命保険文化センター」が毎年公表している平成25年度「生活保障に関する調査」によると、4人に1人が老後の生活に対して非常に不安を感じているという結果が出ています。さらに、その不安の内容で一番多かった回答が「公的年金だけでは不十分」で、全体の81.4%でした(回答者:3,475人)。

老後に不安を感じている人のほとんどが、今の日本の年金制度に対する不安や不信感から老後の生活に対して不安を感じているということが分かります。

日本の年金制度は何が問題なのか? 最大の原因として少子高齢化が挙げられるかと思います。日本の制度は「世代間扶養」(現役世代が保険料を払い、高齢者世代が年金を受給する)のため、少子化になると保険料を払う人が増えず、かつ高齢者への年金の支払いが増え続けるという制度の構造的な問題です。これは、皆さんもご存じのことかと思います。

しかし、日本の年金制度にはもう一つ大きな問題があります。それは、皆さんが納めた年金資産の運用が極端に利回りの低い日本国債に偏っているため、運用資産の増加が全く見込めない状況であるということです。

今回は、世界の年金資産の運用状況をご紹介しながら、日本との比較を行い、年金資産の運用の観点から日本の年金制度が抱える問題について見ていきたいと思います。

1. 日本の年金資産運用について

皆さんが納めている年金はどこで運用されているのでしょうか?日本の国民年金と厚生年金は、政府系の団体である「年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF)」という団体によって運用されています。このGPIFが厚生労働大臣から寄託され年金資産の運用・管理を任されており、現在の運用資産額は123兆9,228億円(平成25年第2四半期時点)にまで上り、世界最大の年金運用機関と言われています。

年金積立金運用・管理のしくみについて年金積立金運用・管理のしくみについて
年金積立金管理運用独立行政法人HPより

それでは、このGPIFは実際にどの様なポートフォリオで運用を行っているのでしょうか?GPIFは運用資金の性格上、「長期的な観点から安全かつ効率的な運用」を基本方針に定めており、実際のポートフォリオについても、「基本ポートフォリオ」というものが予め定められています。

以下のグラフが現在のGPIFのポートフォリオの資産構成割合になります。

GPIFのポートフォリオ資産構成割合GPIFのポートフォリオ資産構成割合
年金積立金管理運用独立行政法人HPより

グラフを見ると、約6割近くを国内債券(日本国債)が占めていることが分かります。「長期的な観点」と「安全かつ効率的」な運用が基本方針なので、日本国債に偏るポートフォリオとなっているのは、当然といえば当然ですが、これを世界の年金資産運用と比較して見ると、日本の年金資産運用の異常さが浮き彫りになります。

それでは、世界の年金資産運用がどうなっているのかについて見ていきたいと思います。

2. 欧米の主な年金資産運用機関と運用戦略

●カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)

欧米の有名な年金資産運用機関として、まずカルパースが挙げられます。カルパースとは、日本語でカリフォルニア州職員退職年金基金と言い、アメリカのカリフォルニア州の公務員の公的年金基金となっています。

その運用規模は全米最大規模(運用資産額約28兆円)を誇り、その巨額な資金と積極的な運用姿勢で日本の上場企業にも多数投資しています。

では、カルパースのポートフォリオ構成はどうなっているのでしょうか。

カルパースポートフォリオ資産構成割合カルパースポートフォリオ資産構成割合
楽天証券HPより筆者作成

グラフを見ると、株式だけで全体の6割以上に投資しており、債券には19%しか投資していないことが分かります。

●ABP

ABP とは、Stichting Pensionfonds ABPの通称で、オランダの公務員を対象とした年金制度です。1922年に政府の組織として設立され、その後1996年に民営化されています。加入者数は約280万人で、総資産は2013年9月末現在約40兆円となっており、ヨーロッパ最大の年金基金として世界的にも有名です。

ABPのポートフォリオ資産構成を見ていきましょう。

ABPポートフォリオ資産構成割合ABPポートフォリオ資産構成割合
楽天証券HPより筆者作成

ABPの方は、債券の比率は高めになっています。またその他資産では、ヘッジファンドやREITにも投資していることが特徴的です。

●ハーバード大学財団

ハーバード大学の教育水準向上および研究活動への助成を目的とし1974年に設立された基金です。運用資産額は約2兆円で、世界の大学財団・基金の中でも最大規模となっています。

ハーバード大学財団のポートフォリオ資産構成はどうでしょうか?

ハーバード大学財団ポートフォリオ資産構成割合ハーバード大学財団ポートフォリオ資産構成割合
楽天証券HPより筆者作成

ハーバード大学財団のポートフォリオも、株式だけで62%と、積極的にリターンを狙いにいくポートフォリオになっていることが分かります。

3. 日本と欧米の年金資産運用の違い

これまで、欧米の代表的な年金運用機関を3つ取り上げ、そのポートフォリオを見てきましたが、欧米の年金運用機関と比較することで、欧米と日本の年金運用の違いがよく分かるかと思います。アメリカやヨーロッパ各国の年金基金では、株式やREITなど、より高い利回りが見込める資産へも投資していますし、日本がほとんど行っていない外貨建て資産への運用にも積極的です。

これに対して日本では、運用資金の3分の2もの資金を国債につぎ込んでいます。

以下のグラフであらためて日本と欧米の年金資産の運用の違いについて見て頂きたいと思います。

各運用機関のポートフォリオ資産構成割合各運用機関のポートフォリオ資産構成割合
GPIF・楽天証券HPより筆者作成

いかに、日本が突出して国内債券(日本国債)で運用する比率が高いか一目瞭然かと思います。バブル崩壊後、長く続く超低金利下の状況で日本の年金資産はなぜこの様な運用を続けているのでしょうか?

最後に年金資産の運用の観点から見えてくる日本の年金制度の問題について考えてみたいと思います。

4.  日本と世界の比較から浮き彫りになる日本の年金資産運用の問題とは?

イメージ画像
なぜ、日本だけ年金資産の運用において、この様なポートフォリオの資産構成割合を採っているのでしょうか?

年金資産の運用というのは、その資金の性格上、元々大きなリスクを取れるものではありません。従って長期的に安定した運用が出来る様にポートフォリオが構成される側面はあります。

また、GPIFもその様な運用方針を採用しています。しかし、世界の年金資産配分と比較してみると、日本の資産配分は保守的すぎると言えるでしょう。

これには、日本の国債の利回りが低すぎるため、日本の年金運用(GPIF)が、なかなか買い手のつかない日本国債の受け皿となり、その担い手となっているという理由もあります。10年満期の日本国債の利回りは、現在0.6%台です。これでは、皆さんが納めた年金がなかなか上手く増えることはないでしょう。

日本の年金制度において、少子高齢化というのは構造的な問題で解決することは難しいかと思います。しかし、年金資産の運用については、GPIFの運用方針を柔軟に変えることによって解決することが出来るのではないでしょうか?

今後の日本の年金資産の運用動向に注目して頂ければと思います。

参考:GPIF HP、カルパースHP、ABP HP、ハーバード大学財団HP


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